アパレルが不振と言われる理由には原因がある
(photo by 流通ニュース)
百貨店・デパートと言えば、伊勢丹・高島屋・三越などでしょうか?
では、関東の人が足を運ぶなら「伊勢丹」、関西の人が足を運ぶなら「阪急」というように実は東日本と西日本でデパートの認識が若干違います。
デパート業界が売り上げ不振で苦しむ中、関西に城を構える「阪急」をご存じだろうか?「東の伊勢丹・西の阪急」という言葉は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
関西にある「阪急」。
その中でも最も有名なのが「大阪・阪急うめだ本店」です。
この1店舗だけの売上だけで年商2200億円を売り上げる巨大なデパートです。売り上げ規模で見ても、世界有数のデパートと言えるのではないでしょうか。
阪急うめだ本店。
新しい歴史を作り上げていく「阪急うめだ本店」を手本にすれば、アパレルが不振と言われる原因が掴めてきます。
阪急うめだ本店を知るとアパレル復活の道筋が見える
(photo by 日本経済新聞)
ここ数年、外資系のファストファッション「H&M」「ZARA」「FOREVER21」「オールドネイビー(日本撤退済)」などが日本市場に入ってきたのは記憶に新しいのではないでしょうか。
日本では、ユニクロやジーユーなども勢力を拡大しています。
ファストファッションというキーワードが出てきたころから、アパレル不振が徐々に目立ってきました。
百貨店の不振を作ったのはだれ?
アパレルが不振なのか、実際は違うのか「阪急うめだ本店」から真似できることは無いのか?ということを検証してみたいと思います。
「阪急うめだ本店」の婦人服は、2017年4月~6月の3ヶ月は前年比20%増という実績をたたき出しています。
前年比20%を超えた仕掛けは、
2012年のリニューアルに遡ります。
リニューアルという言葉を最近よく耳にしますが、大型ショッピングモールで3年から5年に1回実施する「テナントの入れ替え」ですが、デパートでも実施しています。
施設やテナントのリニューアルは、
新しく施設の修繕や見たことがないテナントなどが勢ぞろいするため、基本的には売り上げが右肩上がりになるのです。
しかし、苦戦するのがアパレルです。
アパレル不振が叫ばれるのは、リニューアルしても売上が上がらない若しくは低迷し続けるということが大きな課題でした。
「阪急うめだ本店」は、そんなアパレル不振を打破するための取り組みを実施し、特に力を入れたのが婦人服売り場。
3階・4階の大改革を断行。
百貨店業界の常識を覆す斬新的な改革に着手したのです。
その内容とは、
・定番
・現代的
・前衛的
という3点に的を絞ったこと。
ファッションとは、年齢は関係ない
特徴的な売り場を打ち出すべく、
ブランドの壁と取り払った売場。
つまり、お客さまが出入りしやすいレイアウトに大きく舵をきったことです。
街を歩く人を見渡せば、1つのブランドですべてのアイテムを揃える人は、ほぼいない。と言い切れるのではないでしょうか。
だから、「阪急うめだ本店」は、テーマごとの売場で商品を集約したのです。たとえば「オフィススタイル」というコーナーを設けることで、複数のブランドからコーナーにあった服を品ぞろえしたのです。
さらに百貨店の販売員を常駐し、
お客様がブランドを意識することがない
ト
ータルコーディネートの提案もスタート。
このようなデパートは聞いたことがありません。
「阪急うめだ本店」の凄さは、
「デパート側の都合や取引先の都合は、お客様には関係ない」
というブランドからの反発もあったであろう取り組みを実施したこと。つまり、デパートの婦人服売り場を巨大なセレクトショップへ大改革をしたことだったのです。
通常、リニューアルが認知され、
実績が出るまでは1年半~2年。
「阪急うめだ本店」は、たった6ヶ月で前年比20%増という結果を出すことに成功しました。
「阪急うめだ本店」は、今までの百貨店業界の常識を覆し、反発するブランドのとの交渉を重ね、妥協をしなかったことがアパレルの不振から脱却することができたのです。
お客さま視点でモノづくりをすること。
すべては、そこが原点なのです。
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