アメリカのGAPが売上低迷で200店舗を閉鎖
2019年2月28日、GAPが衝撃的なニュースを発表しました。
「今後3年間でGAP(ギャップ)とバナナリパブリックを合わせて200店舗超を閉鎖する」という方針。
GAPと言えば、日本に進出したOLDNAVY(オールドネイビー)を「日本市場から撤退する(2017年1月末で完全撤退)」を発表したことも記憶に新しいことでしょう。
アメリカのGAP、アート・ペックCEOは、
「客数の減少に悩むショッピングモールに数多く出店している「GAP」と「バナナリパブリック」の事業規模を縮小し、「消費者が買い物しているお店」を重視する新たな戦略への転換を反映してもの」
と言い切りました。
アメリカのGAPは、この200店舗超の縮小によっても前向きに捉えており、OLDNAVYとアスレタの今後数年間の売上高は、店舗数の増加とネット通販で市場シェアを拡大できる見込みと読んでいる。
GAPが店舗閉鎖に追い込まれた問題点とは
ギャップの問題点は、この10年間右肩下がりであったこと。
GAPの売上高は、ファストファッションなどのチェーンストアが台頭し、消費者から支持を得られないまま低迷し続けていました。さらにギャップは、時代の変化を捉えない独自路線を突き進むことで、流行に合わないデザイン提案や品揃えを続けていました。
その結果、売上低迷しているのにも関わらず、現場からの打破が出来なかったのです。
アメリカのGAP ペックCEOは、
「GAPが流行やデザイン、品質レベルといった点に大きな問題を抱えている」ということを認めている。今のギャップは、様々なことが重なった結果、消費者からGAPの商品が受け入れられなくなっていると判断を下した。
アメリカのGAPがファッションに対する、より大胆なアイディアを受け入れたがらない体質であることが背景にあるということも明かしたのです。
今回調べたところによると、
GAPの2018年決算で「GAP」を見ると、全世界の既存店売上高で前年比▲5%。ギャップは、安売りや値引きが状態化して売上高の低迷に歯止めがかかっていない。店舗閉鎖に伴うコストは、およそ100億円(年9千ドル)。今後は、インターネットに力を入れて、売上の4割をネット販売で見込んでいる。
日本のGAPは、店舗閉鎖・撤退することになるのか
さて、アメリカのギャップに話を戻す。
注目したいのは、アメリカのGAPが10年間も右肩下がりで売上低迷していたということです。ギャップが展開したOLDNAVY(オールドネイビー)は、たった4年で完全に日本から撤退しました。
日本のGAPも同じ道筋を辿ることになるのでしょうか。
ちなみに日本のGAPに目を向けると、店舗の面積が大きい大型店が多く見受けられます。
実際に日本で展開している大型のギャップを継続的に調査していた結果を並べてみると、
- 1年目 3億後半
- 3年目 4億5千万
- 5年目 4億5千万
- 10年目 3億後半
というような売上推移となっていた模様です。
アメリカのGAPは右肩下がりに低迷していたようですが、日本のGAPは大きな変化は無かったと言えるのではないでしょうか。アメリカから上陸したOLDNAVY(オールドネイビー)は、日本で受け入れられませんでしたが、日本のGAPは根強いファンもいると数字で伺えます。
ということもあり、日本のGAPは、オールドネイビーと異なり、日本市場での可能性を秘めているジャッジも出来るのではないでしょうか。
ただし、日本のGAPの弱点は、一等地に店舗を構えていることが多い。というのも事実。経営的に見れば、固定費となる賃料等の負担は重く、店舗規模によっては、赤字店舗も存在しているという判断も出来そうです。
現在のところ、日本のGAPが撤退するということは、ないかもしれません。
海外の業界動向に関連する記事