3年後に倒産する会社を判断する方法は意外と簡単

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(photo by アメーバニュース)


 大企業でも粉飾決算でニュースになったり、あの超有名な通信会社でも有利子負債が12兆円と借金を抱える企業は、少なくありません。




 しかし、


 大企業は優良な子会社あり、


 売却できる事業を持つなど



 会社として倒産を防ぐリスク回避の準備は進めています。






 しかし、中小企業で出店を加速している店舗を見ていると、数年後に倒産するケースが多く見受けられます。




 3年後という具体的な数字に落とし込んだのは、



 契約期間という軸で具体的に会社を見ていきます。



銀行から数億円規模で融資が下りたと判断する証拠

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(photo by 個人事業主のための税金サポート)


 では、実際にある公開している会社の情報を元に分析をしていきます。




 関西に本社を置く「A社」の資本金は1千万。




 会社を設立して、12年目。



 雑貨や服飾などを取り扱う会社です。




 


 取引銀行は、3行。大手都市銀行・地方銀行・信用金庫というスタイルです。中小企業では、基本的な形ですね。




 スタートは、商工会議所などが主催するベンチャーのプレゼンで入賞。会社を設立し、およそ3年間はネットショップで売上拡大を続けてきました。




 実店舗に出店したが創業から4年目。




 ここから、「ネットショップ」+「実店舗」というネットとリアル店舗で売上を稼ぐスタイルをスタートさせていくのです。






 2017年3月末まで33店舗。


 2009年から出店をスタートしたばかりで、たった8年で33店舗です。ちなみに会社の買収(M&A)もせず、自社の力だけで出店スピードを上げているのです。




 では、どのタイミングで出店スピードが加速したのでしょうか?



出店スピードが加速した会社は危ない会社で業績が悪化

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(photo by 情報ブックマーク)


 このA社がスピードを加速したのは、実店舗を出店してから5年目。




 出店スピードが加速する会社は、必ずと言っていいほど失敗します。大企業でも出店スピードが加速すると人材難が発生し、業績悪化し、出店スピードを弱めて、会社と店舗の立て直しを実施します。




 では、A社の会社沿革を見ていきます。



 ・2009年 2店舗出店

 ・2010年 1店舗出店

 ・2011年 2店舗出店

 ・2012年 出店なし

 ・2013年 2店舗出店

 ・2014年 6店舗出店

 ・2015年 7店舗出店

 ・2016年 12店舗出店

 ・2017年 1店舗出店

  ※2017年8月末時点



 上記の通り、2014年から出店スピードを加速していたのです。






 ここで注目しなければならないのは、2009年と2014年です。2009年から1年間に2店舗ずつ出店。2014年から1年に6店舗(最大12店舗)と明らかに出店スピードが加速しています。




 その結果、2012年は出店無し。


 2017年も1店舗のみ。と出店スピードが減速しています。




 もちろんこの理由は、お分かりだと思います。






 出店スピードに伴う人材不足と業績不振です。






 問題なのは、出店を加速すると人材が育っていないのにお店を出すことでコミュニケーション不足、売上低迷、人材流出と悪循環が待っているのです。




 会社と店舗の再建は、やり方次第では半年から1年くらいで立て直せます。




 しかし、会社の経営はすぐにうまくいくことはありません。数字で会社を検証してみましょう。





銀行から借り入れた出来たのは、利益が出始めたとき

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(photo by トレトラ!)


 ここからは会社を経営していく視点で分析します。




 インターネットを使ったネットショッピングからスタートしたA社は、2005年に会社設立、2009年に実店舗を初出店しました。




 ネットショップの経営で服飾・雑貨のお店を経営した場合、年商は3千万いけばよいくらいでしょう。




 ネットショップの場合、


 ・出店料が数万円

 ・人件費は数人程度

 ・会社経営の固定費も少額


 という経営で成り立ちます。






 つまり、年商3千万のお店だった場合、35%が利益とすると、年間12百万。




 社長・経理の2名で運営していた場合、会社の固定費と給料で年間営業利益はトントンという経営が可能なのです。




 では、2009年の実店舗を出店してから、A社はどうなっていくのでしょうか?



銀行から資金調達したお金が枯渇するタイミングを知る

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(photo by English Pedia)


 では、お金が枯渇するタイミング、最悪の場合に倒産するのはいつか?そこを徹底的に検証してみます。




 まずは、店舗を出店するのに必要な費用です。


 ・出店準備の旅費 50万

 ・敷金や一時金  1千万

 ・人材募集費用  2百万

 ・店舗工事一括  8百万

 ・商品仕入れ   5百万

 ・什器や備品   5百万


 この服飾・雑貨の店舗は、多く見積もって1店舗当たり3千万が必要と想定ができます。






 1店舗3千万という数字を軸に資金調達を見ていきましょう。


 ・2009年 2店舗(6千万借入)

 ・2010年 1店舗(3千万借入)

 ・2011年 2店舗(6千万借入)

 ・2012年 出店なし(全額返済?)

 ・2013年 2店舗(6千万借入)

 ・2014年 6店舗(1億8千万借入)

 ・2015年 7店舗(2億1千万借入)

 ・2016年 12店舗(3億6千万借入)

 ・2017年 1店舗(3千万借入)

  ※2017年8月末時点

 


 お金の流れについては、ざっくり見るとこのような流れになるはずです。




 2009年の借入や累計の借入を2012年で全額返済を実施しているのではないかと想定ができます。






 2012年に全額返済(繰り上げ返済)という手段を実施したことで、2013年から2016年にかけての借入が可能になるのです。




 銀行からの融資は、事業計画が重要で出店するためのお金として借りています。A社の場合は、出店区画(空き区画)を事前に計画に落とし込み融資を得たと考えられます。






 2017年の借入額は、5億~7億くらいではないでしょうか?




 

 いつ返せますか?


 1番気になる点です。



 店舗の閉店?


 店舗の撤退?


 会社の倒産?




 このA社が待つ末路を予測します。






 A社の1店舗当たりの最大4千万(最低2千万)と年商は全く高くありません。




 つまり、1店舗の利益はありません。



 赤字のはずです。




 2017年に出店スピードが減速したのは、なぜでしょうか?



 お金が無くなったから。






 このA社は、1店舗を出店するのに3千万というのがキーワードでした。この3千万も出店にかかるコストを最大に見積もった場合です。




 通常、このクラスの店舗を出店するなら、1800万くらいに抑えたいところです。




 1店舗3千万で借入を実施していた場合、1千万は手元に残る資金として残しておきます。しかし、店舗の年商が低く、赤字を補填しなければならない場合は、店舗数が増える分だけお金が必要になります。




 もう一度、出店数と借入額を並べてみます。


 ・2009年 2店舗(6千万借入)

 ・2010年 1店舗(3千万借入)

 ・2011年 2店舗(6千万借入)

 ・2012年 出店なし(全額返済?)



 2012年までは、ネットショップの利益と店舗の赤字が想定範囲内で納められたのでしょう。だから、2012年は出店を止めることで再建が図ったと言えます。




 しかし、2013年以降に失敗をする。


 ・2013年 2店舗(6千万借入)

 ・2014年 6店舗(1億8千万借入)

 ・2015年 7店舗(2億1千万借入)

 ・2016年 12店舗(3億6千万借入)

 ・2017年 1店舗(3千万借入)

  ※2017年8月末時点




 おそらくA社が危機的な状況に陥り始めたのが2015年頃になると思います。




 2014年から2016年で25店舗を出店。つまり、7億円近くの借入をしているはずです。出店スピードを加速しても出店する区画が良い場所であることと店舗の売上が伸びる条件が無ければ、借り入れが返せません。




 年商を試算する限り、出店した店舗は赤字。




 なぜなら、出店した場所が売れていないファッションビルやショッピングモールしかないからです。






 A社が出店する区画を年商規模で並べると


 年商300億クラス  6店舗

 年商200億クラス  9店舗

 年商100億クラス 18店舗


 という感じです。




 テナントは、年商規模が高い施設に比例して売上が高くなります。集客する規模によって、売上と客数が比例していくからです。






 つまり、このA社は良い区画に出店できていない。



 と判断することができるのです。





 そして、本題です。



 お金が枯渇するタイミングはいつなのか?




 2017年8月以降から。




 2017年12月頃には本当にしんどい時期がくるはずです。




 ちなみにこのA社ですが、売上を公開していたので一応載せておきます。


 2012年 売上3億円

 2013年 売上3億3千万

 2014年 売上4億5千万

 2015年 売上5億7千万

 2016年 売上7億6千万




 上記のように出店数を加速しているので会社としての年商は当然右肩上がりになります。しかし、1店舗当たりの売上で見るとこのようになります。



 2012年1店舗当 6千万

  累計5店舗 売上3億円


 2013年1店舗当 4千7百万

  累計7店舗 売上3億3千万 


 2014年1店舗当 3千6百万

  累計13店舗 売上4億5千万


 2015年1店舗当 2千8百万

  累計20店舗 売上5億7千万


 2016年1店舗当 2千3百万

  累計32店舗 売上7億6千万




 あなたが経営者でこの数字を見たら、どう思いますか?自分が銀行の融資担当だったら、この会社に貸したお金は帰ってくるのでしょうか?




 結論、まず無理ですね。




 この会社が2017年に入ってから1店舗しか出店していない理由は、お分かりいただけたと思います。






 インターネットのネットショップからスタートしたA社は、実店舗での商売に失敗していると結論が出たことは間違いありません。




 この会社を存続させるためには、


 ・店舗を今すぐに閉店させる

 ・つなぎ融資を依頼する

 ・持っている商品を現金化する

 ・スタッフの解雇や配置転換

 


 このような手段しか残されていません。






 会社としては、初の取り組みとして



 「5%OFFキャンペーン」を実施しているようです。




 表向きは、売上アップと顧客の囲い込みですが、会社の経営としては商品の現金化です。2017年7月にスタートしていることが確認できたので、すでに会社に残されている現金が枯渇するタイミングになってきたのでしょう。





 このA社については、引き続き観察を続けていきます。進捗管理で新たな動きがあれば、また更新していきます。






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こんな会社は3年後に倒産する!出店スピードですぐわかる危ない会社

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2017年 9月10日発信


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