GUが超大型店(800坪超)を横浜市にオープン
photo by 流通ニュース
2017年7月、GUが商品のアイテム数を2倍にすると発表がありました。
アイテムを増やし、「より多くのお客様の要望に対応できるようにする」という目的で2017年秋冬シーズンより、商品のアイテム数を倍増させるということなのです。
そして、2017年9月には、
横浜市の商業施設「ノースポート・モール」に、GUの最新商品をフルラインナップで集め、買い物を楽しめる実店舗として、「ジーユー横浜港北ノースポート・モール店」をオープンさせました。(※2017年9月15日オープン)
GUとしては、超大型店。
通常のジーユー店舗は、650㎡(200坪)が多いのですが、今回はジーユー初となる超大型店です。1フロアで2700㎡(800坪)の超巨大な店舗と言えるでしょう。
ちなみに800坪の超大型店と言われても想像がつきませんよね。
ららぽーと・イオンなどの大型ショッピングモールで例えると、スポーツ大型専門店や家電大型専門店があるような大きさのサイズです。
超大型店!?というより、
超超大型店というべき。
GUの超大型店とは想像しにくいですね。大型ショッピングモールの主力店舗としてのポジションを目指しているのでしょうか?
ユニクロと真っ向勝負!?
そんなことも見え隠れします。
GUが超大型店の出店にシフトした理由を探ってみます。
GU・ユニクロの全国の店舗一覧は、こちらで紹介しています。
ユニクロが超大型店へシフトしたのは10年前だった
photo by Fast Retailing
GUが超大型店を出店する前にユニクロについて、情報を整理しておきいます。
ユニクロが大型店(超大型店)へシフトしたのが、2006年8月以降からでした。2007年8月期には、3倍も増やしています。
ユニクロ大型店の出店数
・2006年8月 7店舗
・2007年8月 21店舗
この当時のユニクロ大型店の出店場所は、都心商業施設と郊外商業施設で約8割を占めていました。
つまり、2006年から現在まで
ユニクロが大躍進できたのは、
大型ショッピングモールへ出店し、大型店(超大型店)を展開していたことが会社の規模や利益を押し上げてきた原動力と言えるのです。
大型ショッピングモールへの出店によって、ユニクロはどうなったのか?もう言わなくてもお分かりのように日本トップクラスの会社へと成長を遂げました。
10年前にユニクロが実践した戦略をGUも真似し始めた。
というより、GUの店舗力が備わって超大型店の出店ができる体制が整ったとでも言えるのではないでしょうか?
大手アパレルが大量閉店や閉鎖が相次ぎ、ショッピングモールの区画は空きつつあります。
日本版ショッピングモールの崩壊が徐々に巻き起こっているのです。詳しくは、こちらの記事に書いています。
GUの超大型店をこれから出店加速していくためには、絶好のチャンスととらえることができるのです。
それはなぜか?
ショッピングモールの空き区画を繋げることで超大型店が出店する区画を手に入れることが出来る。
ということなのです。
たとえば、3年前に超大型の区画を取得したい、取得しようとしてもなかなか難しい。というか区画が空いていない状況でした。
それが2015年頃から大手アパレルのワールドが大量閉店を打ち出してから、多くのショッピングモールで空き区画が増えつつあるのです。明るい廃墟と言われた滋賀県のピエリ守山は、小型区画を再編し
て大型のファストファッションを出店させています。
ショッピングモールのビジネスと言えば、
大型商業を開発・建設し、
テナントに貸し出す。
つまり、殿様商売だったのが、2013年頃から徐々に傾き始めてからは、テナントが必要とする区画の大きさへ改装するショッピングモールが増え始めているのです。
GUは、これを狙っているのでしょう。
2006年頃の大型ショッピングモールは、家電量販店・映画館・本屋くらいしか大きい区画に出店するテナントが無かったので、ユニクロは大型区画を取得しやすかったのです。
ユニクロの戦略は、時代に合った拡大でした。
ジーユーも同じ戦略を取るのではないか?
そんな感じがします。
ジーユーが2店舗目、3店舗目と超大型店を出店していく場所は、どこになるのか?そこがユニクロと比較していく上で重要なポイントとなることになるでしょう。
GU・ユニクロの全国の店舗一覧は、こちらで紹介しています。
GUが大型店から超大型店へシフトすると売上は伸びるか?
photo by GU
最後にGUは、大型店(200坪)から超大型店(800坪)へ店舗の大きさをシフトすると、売上が伸びていくのか?
大型店から超大型店のメリット
・商品アイテム数が増える
・品揃えが豊富になる
・商品が見やすくなる
大型店から超大型店のデメリット
・1人の担当坪数が増える
・商品管理に時間がかかる
・アイテムの改廃が大変
・1店舗の従業員数が増える
・面積が広い分、家賃が上がる
まずは、大型店から超大型店へシフトしたときのメリット・デメリットをサクッと抜き出してみました。売上が上がるかどうかという視点も重要ですが、経営的に店舗が成り立っていくのかという経営判断が重要です。
ちなみにGUの場合、
超大型店で成り立つことが可能。
という判断ができるでしょう。
では、ジーユーが大型店から超大型店へシフトすると売上は伸びるのか?という本質についてまとめていきます。
まず、ユニクロの数字を確認します。
ユニクロが大型店を出店し始めたときの資料によるとこのように書いてあります。
ユニクロの売上効率は、
目標 月坪売上25万円
大型店 月坪売上24万円
標準店 月坪売上25万円
※2006年12月末までの店舗平均と表記あり。
この当時のユニクロが判断したのは、標準店から大型店へシフトしても効率は変わらない。
つまり、店舗を大型化した分の売上が伸び続けるということです。
簡単な計算をしてみましょう。
500坪のユニクロなら
→年商12億5百万
800坪のユニクロなら
→年商20億円
とこのように2006年のユニクロが判断したのは、標準店から大型店へシフトすると、店舗の売上も利益も会社の業績も伸ばすことができる。という判断だったのです。
過去、ユニクロがどの基準で大型化にしたのかという明確な理由を見つけることはできませんでしたが、GUも同じファーストリテイリンググループということを考えると、ユニクロが大型化した基準に達したという判断が下されたと考えるのが妥当ではないでしょうか。
ユニクロを含めた検証の結果、
GUは超大型店へシフトすることで
売り上げは伸びると判断が可能。
ということが言えそうです。
GUが超大型店の出店にシフトした本当の理由
photo by Fast Retailing
GUが大型店から超大型店へ
シフトした本当の理由は、
ファーストリテイリングが実現しようとする3兆円という売上目標を実現するための手を打ったと言えるのではないでしょうか。
ユニクロという国内・海外でも主力ブランドを持つファーストリテイリングが売上3兆円を3年後の2020年に売上3兆円を実現・達成させるために必要だったのは、M&AとGUの成長加速だったのでしょう。
GU社長の発表によると、
売上1兆円をGUだけで。
さすが世界のファーストリテイリングという目標です。
GUの売上は、
2016年1800億円。
残り8200億円を獲得するために
超大型店を何店舗出店し、
大型店を何店舗出店するのか。
答えは、スクラップ&ビルドで店舗の再編を進め、超大型店・大型店を量産する体制を整うことができれば、可能な数字です。ファーストリテイリングの有利子負債もほぼないということが言える経営体質です。
GUの1兆円企業という野望。
おそらくユニクロより、
早い段階で達成することができる。
そう言えるのではないでしょうか。
GUが新しく出店した超大型店がどのタイミングで加速していくのかがファーストリテイリングそしてGUの未来を握ることになるのでしょう。
2年後・3年後、国内にGUの超大型店が何店舗あるのか?1番気になるところですね。
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GUが超大型店の出店にシフトした本当の理由
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2017年 9月28日発信